あっという間に4月ですね。ニューヨークは今年、大雪や氷点下の日が続く厳しい冬でしたが、少しずつ暖かい日も増え、時には20度を超える日も出てきました。そんなニューヨークやアメリカの「今」、そしてSiblingの近況を、このニュースレターでクォーターごとにお届けしていきます。

🔥 TREND REPORT

NY Trend Report #2 公開のお知らせ

Siblingの最新トレンドレポートが、今年1月に公開されました!

今回のテーマは、昨年から今年にかけて新たな交流やビジネスの可能性を生み出している“波”である「Cultural Curiosity」。アメリカにおいて異文化への関心や受容がこれまで以上に高まる中、他文化からインスピレーションを得るブランドが増え、それらがアメリカの感性や嗜好に合わせて再解釈される動きに注目しています。

こうした動きの背景には、急速に変化する社会的価値観や日常の中で、「これまでのアメリカの当たり前」の外にあるものを求め、「より良い選択肢」を探し求めるコンシューマーの意識の高まりがあります。グローバルな顧客を相手にする企業にとって、このシフトを捉えずにビジネスを展開することは、ますますリスクとなりつつあります。

本レポートは、全93ページ・20以上のケーススタディに加え、社会的背景の深掘り分析を収録しています。さらに、事例の詳細な解説やトピックの深掘りは、プレゼンテーションやウェビナー形式でもご提供していますので、ぜひご活用ください。

💫 EVENT RECAP

New York Trend Report Live イベントを開始

Cultural Curiosityレポートの公開に先立ち、1月に Trend Report Live トークイベントを開催しました。レポートの内容をライブ形式で解説するとともに、シブリングのMariとRieによる追加の事例紹介やディスカッションを実施。その後は日本から来客いただいたゲストと、現地のプロフェッショナルの参加者同士がネットワーキングや意見交換する時間も設けました。

今回のイベントを通して改めて印象的だったのは、一般ニュースや大手メディアで語られる情報と、実際のローカルや日常の中で感じられる消費者行動との間にあるギャップです。政治的な緊張や分断が続く一方で、人々の好奇心や行動はむしろ逆方向へと動いている側面もあります。こうした変化が確かに起きているという共通認識と、その変化への高揚感を、会場全体で共有する時間となりました。

ニューヨークでご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!また来年もお会いしましょう。

👟 FIELD WORK

あらゆる場で語られる「AI」の現在地と課題感

AIの進化と普及のスピードは、今や業界を問わず誰もが意識しているテーマです。今期参加した複数のカンファレンスやイベントでも、AIは常に議論の中心にあり、その存在感を改めて実感しました。

1. NRFで見えた「AIxリテール」の現在地

新年早々、ニューヨークで開催されたNRF Retail’s Big Showに参加しました。今回特に感じられたのは、AIの活用が「実験」から「実装」へと確実に移行している点です。

AIエージェントによるバックエンドの自動化や業務効率化が進む一方で、フロントではよりパーソナライズされ、体験価値を高める顧客体験の進化が同時に起きています。人間型ロボットや自然な会話ができるエージェント、店舗内でのパーソナライズされた体験など、人間らしさを感じさせるAIの活用も多く見られました。

細かいレコメンデーションや自動化が当たり前になる中で、リテーラーはむしろ「人によるサービス」や対面での体験に、これまで以上に力を入れているように感じます。自動化が進むほどに、信頼やブランドの真正性といった人間的な価値が、記憶に残る体験を生み出す鍵になっていると実感しました。

2. Lazuli Executive Salonで深まった「AIx商品データ」の議論

同様のテーマは、NRFと同時期にニューヨークで開催されたLazuli社初の海外イベント「Lazuli Executive Salon」でも議論されていました。

Lazuliの商品データの専門家たちがリードするディナーセッションでは、AI×商品データによる裏側の効率化が今まで以上に実現できるようになる一方で、「効率化だけでは不十分」という課題が共有されていました。多くのリテール関係者も、今後のブランドにとっての本質的な課題は、顧客接点におけるハイタッチな体験とのバランス、「利便性」「発見」「自然な説得」をいかに両立させるかにあるという点に強く共感していました。

また、今の時代に不可欠なデータ活用の重要性と、それを通じたオペレーションや顧客体験の最大化についても、多くの学びを得る機会となりました。日本から来られたリテール、AI、プロダクトデータ領域のリーダーの皆さまと同じ場に参加し、ニューヨークにおける最新のリテールトレンドについてお話しできたことを、とても光栄に思います。

3. Canva AI Vision で見えた「AIxクリエイティブ」の再定義

Canva が初めて米国で開催したAI Visionイベントにも参加してきました。AIの波に乗って急速に存在感を高めているCanvaですが、昨年あたりからポップアップや各種イベントでの露出も増えており、どのような方向に向かっているのかが気になっていました。

イベントには、インハウスのブランドチームからエージェンシーまで幅広いクリエイティブ関係者が集まり、「制作はもはやデザイナーやマーケターだけのものではない」というメッセージが強く打ち出されていました。生成・自動化・制作までを、すべてのチームが担える時代へと移行しつつあることを実感する内容でした。

一方で、アウトプットが似通ってしまうリスクや、デザイン性も「Canvaっぽさ」が強く出てしまう懸念も感じられます。それでも、クリエイティブの制作体制やリソース配分、ワークフローそのものを見直す必要があることは明らかです。

「誰もがつくれる時代」になったからこそ、「何を人がつくるべきか」がより問われる。どこまでをツールに委ね、どこに人の思考や創造性を投下するのか。その線引きが、これからの企業やブランドチームの競争力を大きく左右していくと感じました。

実際、アメリカのクリエイティブエージェンシー業界でも、こうした変化にここ数年向き合い続けており、組織再編やAIの活用を進める動きが多く見られます。

🔮 SIBLING PICKS

Cultural Curiosity を意識する中、今期アメリカのポップカルチャーで最も注目を浴びていたのがプエルトリコ出身のラッパー、Bad Bunny。彼の存在感はアメリカ国内にとどまらず、グローバルに広がり続けています。

2月に話題になった、彼のスーパーボウルのハーフタイムショーのパフォーマンスは、史上初となる「全編スペイン語」での演出となり、40億人以上が視聴する記録的な舞台となりました。プエルトリコのアイデンティティや独立性、そしてアメリカ大陸の多様性を祝うメッセージが随所に込められた、非常に象徴的な内容でした。

放送前から賛否は分かれ、一部では「アメリカらしくない」との批判もありましたが、特に若い世代からは強い支持と期待が集まっていました。Spotifyのリスナー数の急増や、Duolingoでスペイン語を学び始める人が増えたことからも、カルチャーが人々の行動や意識を動かしていることが感じられていました。

ハーフタイムショーで最も心に残ったのは、その根底にあるインクルーシブで前向きなメッセージでした。「Together, we are America」という言葉のもと、プエルトリコを含む北米・中南米の多様なルーツを持つ人々を包み込みながら、アメリカというアイデンティティを再定義していました。スーパーボウル前に公開された、色んな人種や年齢の人々が共に踊るティザー動画も、希望やつながりを感じさせる象徴的なものでした。

また、Bad Bunnyは3月、東京でアジア初となるコンサートも開催しました。Spotify主催のBillions Club Liveシリーズの一環として、10億回以上のストリーミングを記録したアーティストを称える特別なライブイベントです。東京の公演でも、彼のカルチュラル・アウェアネスが印象的で、足元には下駄を履き、桜や日の丸をモチーフにした舞台を取り入れ、さらには一部の歌詞を日本語で披露するなど、日本文化への敬意を示していました。

今の時代において、こうしたインクルーシブな姿勢や一体感こそが、これからのカルチャーや社会にとって重要な価値なのではないかと感じました。

ABOUT
このメールは、Sibling にご登録いただいた方、イベントに参加いただいた方、または岩原マリとの名刺交換をさせていただいた方にお届けしています。定期的なイベント案内やニュースレターは、四半期ごとにお届けいたしますので、無駄なメールはお送りいたしません。Sibling 以外の活動においては、お客様のデータは決して第三者と共有されることはありません。もし不要な場合は、お手数ですが Unsubscribe ボタンより手続きをお願いいたします。

Stay Connected

▶︎ 過去のニュースレターはこちらへ

▶︎ このメールを誰かから転送されましたか?

▶︎ このような情報を気に入りそうな方がいれば、シェアしてください

Keep Reading